皆さん、こんにちは。昭和世代の正直不動産コンシェルジュこと早稻田愛輝です。今回から、NHKドラマ「正直不動産」で取り上げられた話題よりピックアップしてお届けしてまいります。まずは、インパクトの強かったドラマ第8話の「地面師詐偽」からスタートいたします。
それにしても、ドラマ「正直不動産」は面白かったですね。かなり攻めた内容であり、NHKがよくドラマ化させたな、との感想です。原作者はもとより、脚本家、制作陣、撮影陣、俳優陣の皆様のご尽力に大感謝です。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」と共に、今年のNHKは大変楽しませてくれました。
また、主人公の営業マン永瀬財地を演じた山pこと山下智久さん(明治大学出身!)は素晴らしかったですね。惚れ惚れする格好の良さでした。今後の益々の活躍が期待されます。
さて、地面師の暗躍した詐偽事件の実例ですが、近いところで、積水ハウス社事件が有名です。五反田にある曰く付きの旅館を巡る地面師詐欺に、売買取引のプロ集団がまんまと引っ掛かってしまい、しかも被害額が数十億円規模に上ったというのですから、不動産業界を文字通り震撼させた事件と言えます。事件の背景には、会長派対社長派の深刻な派閥抗争もあったとのことで、上場企業のガバナンス問題の観点からも、世間の耳目を集めました。
掲載写真をご覧下さい。
都心部有数の高級住宅街として知られるまちを愛輝が訪れたときの、平面駐車場に掲げられていた地主さんの警告看板です。恐らく、少なからぬ地面師たちが、地主さんに成り代わって不動産売買を仕組もうと水面下で暗躍してきたのでしょう。地主さんにしてみれば、全く迷惑な話ですよね。
地面師詐欺の肝となる部分は、縁もゆかりもない赤の他人が地主のごとく振る舞う「成りすまし」と、印鑑や身分証明書の偽造になります。本腰入れて悪知恵を働かせる輩には、十重二十重の防御線を慎重に張り巡らせないことには、売買取引のプロ集団といえども騙されてしまうリスクがあることを、売買取引関係者は、改めて肝に命じる必要があります。次回では、「成りすまし」への防御に関する愛輝のちょっとした経験を報告させていただきます。
→「地面師は、いる その2」に続きます